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「フリーランチの時代」 (小川一水/ハヤカワ文庫)

フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-8)フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-8)
(2008/07)
小川 一水

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小川一水さんの新刊が出てたので、久しぶりに読んでみました。
じっくり読むつもりが、気がついたらのめり込んでた…


あっけなく異星人とコンタクトして人類進化しちゃう、「フリーランチの時代」、
脳からの出力以外を機械に移植された女性が、人間と自我の所在を問う、「Live me Me」、
ニッチな雑業をこなしながら宇宙船に引きこもるニートを描く、「Slowlife in Starship」、
ゆるやかに不老不死を掴んでしまった人類と、一人の老女の人生を巡る話、「千歳の坂も」、
ホラーファンタジー風の物語にして「時砂の王」のスピンアウト、「アルワラの潮の音」、
以上5本立ての短篇集。

前の短篇集「老ヴォールの惑星」と比べると、ややソフトかな。
ソリッドで構築的なSFギミックと、
しなやかな人間性のバランスが素敵な、
やわらかハードな作品でした。

小川一水さんは、質実で、地に足のついた力強さが魅力的ですね。

話も、ひとつひとつは過酷だったり冗談みたいだったりするんだけど、
後で振り返ってみると、
「ああ…なんていうか、人間賛歌だったんだなあ」と、
しみじみ気づく感じ。
専門用語が多い割に、びっくりするほど読み易いのも嬉しいです。

5編どれも面白かったですが、
「Live me Me」で描かれてる自我への問題提起や社会の変化は、
特に興味深かった。
心理学を学ぶと誰もが一度は引っかかる命題だと思うんですが、
こういうシチュエーションで物語にするのは凄いなあ、と。


そんな感じで、
しっかりSFできっちり面白い、定番になりそうな一冊。
この人はほんとアベレージが高いッ。

テーマ : SF小説 - ジャンル : 本・雑誌

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